身体的拘束の適正化の推進

 6月定例議会において、令和6年厚生労働省省令が公布されたことにともない、粕屋町でもその規定を整備するために、2つの条例に同じ理由で提案された「身体的拘束等の適正化の推進」というその内容に驚いています。

 

 議案第38号「粕屋町指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防の効果的な支援の方法等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」文教厚生常任委員会で担当課から説明がありました。

 

 改正の内容は第33条第2号に次の2号を加えるというものです。

(2)の2 該利用者または他の利用者等生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

 

(2)の3 前号の身体的拘束等を行う場合にはその態様、その利用者の心身の状況並びに緊急をやむを得ない理由を記録しなければならない。

 

 議案40号「粕屋町指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」にも第15条に同じ文言が加えられています。

 

 つまり介護現場で緊急やむを得ない場合は、その記録を取れば身体拘束ができるのです。

 

 私は、いかなる理由があっても「身体拘束」は介護現場で許されるものではないと思います。介護認定を受けた要介護、要支援の方たちの人権は守られるべきで、その身体拘束の範囲が広く解釈され、虐待につながるのではないかと懸念しています。

 

 また驚くことにその歯止めとなる「記録」の取り決めが何も用意されていないのです。

 

 記録を何年保存するとか、その記録の内容をどこが判断して適正化するのか、など具体的対応の提案がなされてないなかでの条例化は許されるべきものではと断固反対です。

 

 10日に本議会で反対討論をしようと考えています。まとめるのがとても難しいですが頑張ってみます。