保育・教育における子ども憲章⑤

大池けいあい保育園で研修を受けた時に辻広明園長が教えてくださった、保育・教育における子ども憲章の中の一番重要と言って説明をしてくれたのが憲章の⑤でした。

 

憲章⑤

夢中で好きなことをする時間や失敗をする経験は、私を大きくしてくれる大切な時間です。つまらないことだと思わずに、興味をもって見守ってください。

これを裏面で次のように解説してあります。

解説5

子どもには「今を楽しく充実して生きる」ために全力を注ぐ時間が必要です。

 

 それは、大人から見ると意味がなく無駄に思われる、つまらないことかもしれません。失敗を繰り返しても好きなことに夢中になる経験は、興味関心を持続させる原動力となり、生きる力につながっていきます。

 

 夢中になって遊ぶ子どもを信じて、興味深く見守ってください。

 

解説引用先:子どもの権利条約第31条(休息・余暇・遊び)第21条(教育の目的)

 

 このように解説がついているので、この憲章の条文を理解することによって、子どもの権利条約や、こども基本法のことがよくわかり、どのように活かしたらよいかも一目瞭然です。とても勉強になります。

 

 辻園長は保育士として久留米市の職員になり、保育所・児童館などを経験し、その分野では全国的な場で事例発表されるなど活躍しておられました。

 

 九州大谷短期大学出身で、そこの山田真理子先生の教え子。

 

 山田先生を深く尊敬し、なんでも相談されるようで、先生の著書の「機微を見つめる」がこの保育園のバイブルだとおっしゃっておられました。

 

 

 山田真理子氏は「こどもとメディア」の理事もされている有名な方で、今回の憲章作りの中心的存在です。私も2004年にこの本に出合い、ボランティア活動に活かしています。

 3年前にできた大池けいあい保育園、野間大池近くの小高い丘の上にありました。民家の跡地に建設、辻園長が手掛けた3園目の建設で定員80名、いたるところに工夫のある園舎でした。

 

 感覚統合の遊具。ブランコのように体を揺らすステンレレスバーがお遊戯室の広場に4本、上からするすると下がってきました。こどもは自由にぶら下がります。マットも園内に2つ立てかけ、必要な時にはいつでも飛び回れるようにしているそうで、子どもが自分を取り戻してクールダウンできる、有効なツールのようです。

 

 全室吸音の壁・天井、聴覚過敏な子への配慮、壁面構成・子どもの絵などは視覚過敏な子どものためにほとんどなく、その奥深い配慮に考えさせられました。

 

 このような画期的な試みを実際に行っている園があること、また園長先生のマネージメント力に深い感銘を受けました。