学校施設のバリアフリー化

 6月6日の一般質問で私は3つの項目を上げました。その中の一つ、「小・中学校の増改築計画について」という項目を準備する段階で国の新たな動きを知りました。今、そのことをもとに問い質(ただ)す機会を得たことを感謝しています。

 

 準備の段階での発見は2つ

 

 1つは文部科学省が平成16年以降手つかずそのままだった方針を改訂し、令和2年(2020)の12月に「学校施設のバリアフリー化の具体的な数値目標を示し、推進のために補助金を交付する」ことを発表していたことです。

 

 私はその直前、令和2(2020)年9月に粕屋中学校のエレベーター設置についての一般質問をしています。その時の執行部の回答は粕屋中学校での設置が終わると残りは中央小学校と大川小学校でした。

 

 ともに大改造計画時に設置するとの答弁でしたが、今回示された中央小学校の第2次から4次まで図面にはその設置の記載がなく、これはどういうことかと、早速問い質(ただ)すことにしたのです。

 

 質問通告書を出す段階ではまだ文科省の新たな動きを知らず、計画を確実に実行してくださいとだけ述べるつもりでしたが、国の動向を調べるうちに、この国のバリアフリー化加速の動きを知り、これは粕屋町にとって大きな飛躍のステップになると感じたのです。

 

 問いかけを「学校施設全体のバリアフリー化に向けての改築」へと発展させる質問内容にしました。

 

 2つ目の発見はインクルーシブ教育にバリアフリー化が不可欠であるということが確認できたことです。理念だけではなくハード・ソフト面での設備、人的配置が必要なことが確認でき、この具体的な実践が粕屋町のインクルーシブ教育をより発展させるのではないかと思いました。

 

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 インクルーシブ教育は2006年12月の国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」で示された理念。障がい者が社会において積極的に参加・貢献することができる「共生社会」を目指すために、障がいを理由に排除されることを生み出さず、学校生活の中に参加し、学習することを推進する教育を実践すること。この目的のためにインクルーシブ教育システムが必要である。

 

 インクルーシブ教育システム

 インクルーシブ教育を実践するためにはインクルーシブ教育システムが必要で、そのシステムとは以下の3つである。

①障がい者が一般的な教育制度から排除されないこと

②障がい者が生活している地域で初等・中等教育の機会が与えられること

③個々人に必要な合理的配慮が提供されること

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 特に合理的配慮のハード面を進めるにあたって、国の新たなバリアフリー化の方針を実行できるチャンス到来。これは粕屋町にとって大きな追い風となると感じました。

 

 今議会では仲原小学校と中央小学校の工事請負契約の締結についての議案が上程されています。

 

 そこで私は今回の一般質問でエレベーターやその他の項目の数値目標についての問いかけをしました。

 

 打ち合わせの段階で担当者が国の改定を把握していないことがわかり、空振りにならないよう念のために上記の国の指針による具体的な問いかけを事前に示して臨みました。

 

 また、常任委員会の議案審査の際にも、改築での各項目での数値目標が現段階ではどうなのか、改築時にはどのようになるのか、また、その動きを加速するように求めました。

 

 まだ道半ばという段階ですが、担当部署が意識して事業を行えば可能になる時が到来しているのです。目標到達に向けて頑張ってほしい、そして粕屋町のインクルーシブ教育がより発展することを心から望んでいます。