粕屋町中期財政見通しへの思い、課題を問う

 通算68回目の一般質問が終わりました。

 

 今回の質問は「粕屋町中期財政見通し、令和4年度の予算編成について」、今まで何度も取り上げてきた財政の健全化をメインテーマとしました。

 

 箱田町長が町長に就任された翌年の12月から、単年度ではではなく中長期財政計画の見通しに立った予算編成をしてくださいと政策提言を行い、その後、予算決算審査の時期には5万人のまちづくりをどう進めるかという視点も含めて財政計画の必要性を問い、作成・公表してほしいと要望を重ねてきました。

 

 一般的な家庭ではライフサイクルに沿ったライフイベントの準備のために貯蓄、投資(住宅取得・教育費など)、そして返済の流れを作り家計簿記帳をしますが、自治体財政ではなかなかできないというのが現状のようです。

 

 人口動態、国の動き、景気の動向、どれをとっても予測しがたく、ということからのようです。

 

 ところが、この3年間の町政運営の実績からでしょうか、繰り返し要望し続けたからでしょうか、箱田町長は全国の自治体でもまれな「粕屋町中期財政見通し」を昨年11月公表しました。第5次総合計画に合わせて期間を令和4年度から令和7年度としています。

 

 その見通しで最も注目すべきは粕屋町が抱えている様々な課題解決のための事業をすべて財政計画に入れ込んだことです。健全化対策とするには財源の裏付けが必要ですが、大幅な財源確保は見込めず町債(借金)に頼らざるを得ない。

 

 今後4年間にこれだけの借金をして事業を行いますとし、歳出抑制、歳入確保の計画を立ててありますが、はっきり言って先行き不透明。

 

 無理を承知で公表されたということの影響の大きさを思うと、逆に責任を果たす覚悟ができているということでしょうか。箱田町長の町政運営への意気込み、並々ならぬ覚悟を強く感じた次第です。

 

 中央保育所の建替え、清掃センター除去、仲原川の改修工事、朝日団地建替えなど、平成4年度の予算では、普通建設事業費は一般会計208億円のなかで47億円となっています。

 

 粕屋町は平成9年に120億円の一般会計の半分の61億円の投資的経費、普通建設事業費を予算化し、それから7年ほど駕与丁公園整備、かすやドーム、かすやフォーラム、サンレイクなどを建設するにあたって町債を増やしてきました。

 

 また、大型の公共工事として水害の発生を抑えるために役場、フォーラムの駐車場の地下に調整池、大池公園の整備なども重ねてきました。

 

 下記の写真はバラ園展望広場から見た駕与丁公園、かすやドーム、サンレイクです。実に美しい光景です。

 

 28年経った現在、借金の返済は順調で、町民一人当たりの町債残高は福岡都市圏10市7町(2021年3月)の比較では最も低くなっています。

 

 生涯学習の諸施設、水害回避のための調整池、水路改修などは町民の今の生活を豊かに潤すのに大いに役立っています。

 

 順調な町税の伸び、行政評価を含めた、総合計画とも連動した町政運営の在り方などに努力を重ね、今では福岡都市圏10市7町の中では最も安定した、潜在的な力を持つ自治体になりました。

 

 次世代のためのインフラ整備や、今まで目を背け、先送りしてきた負の遺産にも真正面から取り込もうとする箱田町政にエールを送ります。もちろんチェックは怠りません。

 

 来週月曜日の7日から始まる予算特別委員会での担当者の説明を楽しみにしています。