最初の写真は富山市の交通政策「LRT(Light Rail Transit)ネットワーク」の一翼を担う市内電車。後の3枚はデンマークのバス・自転車通行の写真です。デンマークは通勤、通学者の50%が自転車使用。子どもの保育園送迎にも。車道・自転車道・歩道となっていました。電車の中にも椅子を折りたたんで乗り入れられるようになっています。
10月に富山市、11月にデンマークを訪問する機会に恵まれました。ともにSDGs(Sasutainbul Development Goals 持続可能な開発目標)の先進地です。行って気づかされたのは、国連で取り組む前から、両地ともにその課題を把握し取り組んでいた結果ではないかと思わされました。
富山は急激な人口減少、デンマークは資源に恵まれない小国の生き残りをかけた戦略。市民、国民が事態の深刻さをいち早く把握し向き合った結果、いつの間にかSDGsの先進地になっていったのではないかと思われます。
ともに寒い北国。冷たい風が吹きすさぶ地方で生きることの大変さと向き合い、助け合いながら生きている人々がいる、という印象を受けました。
粕屋町の緩やかさは、何も特別なことをしなくても人口は増える、恒常的な、高い固定資産税収が支える町財政の安定性などが起因していますが、いつの間にかそのぬるま湯にどっぷりつかり、現状に追われて開こうという意欲さえ失っているのではないかと思われます。
粕屋町のネックは交通事情の悪さ。まちづくりのどのアンケートを見ても「地の利はいいが道路事情が悪い」ということが前面に出ています。しかしながら地価が高く、市街化調整区域が多いことから開発が難しく問題を先送りにするばかり。
あぜ道がいつの間にか生活道路となり、その整備は農地を宅地化、事業化した当事者任せでした。したがって歩道、側溝を町が整備するという発想・意識は薄く、狭い町道はそのまま。また粕屋町は交通の要所でいろんな方向から外部の車の通り道となっており、町全体の都市計画道路開発図はあるのですが、大胆な手法には手が出ず、現状維持。
ただ国鉄がJRとなって、粕屋町が新たに4つの駅を新設した先見の明はすごいと思います。それに福祉の充実。これは近隣の自治体に勝っていて、今の人口増につながっていると思います。デンマークで垣間見た福祉のあり様にもちろん不十分なところはありますが、決して劣っていません。
その利点を活かすまちづくりを今しなければ、また、今だからできるこのチャンスを活かしたいと思って、今年から来年にかけての、第5次総合計画、都市計画マスタープラン、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略、男女共同参画計画などの作成に注目しています。
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魅力的な路地の町に (火曜日, 26 11月 2019 17:45)
デンマークのレポートを楽しみに読んでいます。
粕屋町の道路事情が悪いことについて、私の抱える苦しい気持ちを書かせていただきます。
昔、粕屋町の道路事情が悪いことや、交通事故発生状況が良くないことは承知のうえで定住を決めたつもりでした。でも、想像以上に苦しみは増すばかりで、道路事情の悪い粕屋町に住むことを決めてしまった自分への後悔と、私と同じ苦しみを新規に住む人に体験させたくない、という気持ちで日々フェイスブックを更新しています。そのテーマは「粕屋町は道路事情が悪く解決の見込みもなく、水害の心配もあるけど、それでも住む?住まないほうが良いのではない?」という、転入を思いとどまらせたいものが半分です。
そして、残りの半分は、自分が住み続けたい町にするためには具体的にどうしてほしいか、の模索です。
大規模道路整備は、一個人が主張したところで大きく動くことはないでしょうが、小さくできそうな部分について重点を置き意見を出していきたいと思っています。(基本的にフェイスブック。)
その1つに「ブロック塀の撤去」があります。粕屋町の道路は、ほとんど路地で構成されているといっても過言ではなく、路地を車道のようにするのではなく路地のまま魅力的なにしていきたい、という希望があります。
敷地を囲むブロック塀が、花や生垣になるだけでも粕屋町の道路事情の悪さと見た目の貧弱さと危なさは、ずいぶん改善されるのではないかと思います。面積の大きいトラック駐車場にも協力いただきたいです。
デンマークは、高い塀で敷地を囲む建築文化ではないようで、粕屋町のような路地の圧迫感や見通しの悪さが見あたりません。粕屋町の高級新興住宅街かそれ以上のレベルの住宅街やスクールゾーンばかりに見えます。
まちなみの点でも、デンマークを参考にできることはあるような気がしています。
(粕屋町のブロック塀をなくして、安全な町にしませんか?)
都市計画マスタープランの住民アンケート (火曜日, 26 11月 2019 17:48)
アンケート結果を私も読みました。できれば自由意見欄も読みたいですが、ホームページ掲載はないですね。
結果をまとめた28ページに「町の活力保持のためには人口増加に対応する宅地整備は重要だが、既に町内に居住している住民としては、新たな住宅整備のニーズは低い。」という一文があります。
「町の活力保持のためには人口増加に対応する宅地整備は重要」と、調査のどこからも導き出されていない気がしますが、土地を持つ人々のゆるぎない大前提なのかな、と思いながら読みました。
(粕屋町のブロック塀をなくして、安全な町にしませんか?)