職員の本気度

 10月24日、25日は北陸富山市と近郊の村、舟橋村の視察を建設常任委員会で行いました。

 

 印象は「職員の本気度」でした。まずプレゼンテーションの資料が違うのです。工夫の凝らし方に目を目を見張りました。そして自信にあふれ、どんな質問にも対応できる柔軟性を備えていて、国の省のトップ職員のような説明。

 

 つまり自分事から日本という国全体からの視点による資料を示し、それにどう取り組んでいるか。2つの自治体に共通していることは、人口減少。このまま進めば消滅、沈没。そんな不安要素に溢れていたところから見事に立ち直った自治体の事例でした。

 

 本気度が違う。けれども対応してくれた議会事務局の職員の対応は普通。これは何を物語るのか。説明してくれた職員は多分首長からその思いを叩き込まれ、その実現に向けての困難の壁の高さにおののき苦しんだ結果の、その発表を私たちに聞かせてくれたのでしょう。

 

 迫力あるプレゼンを聞いて私はとても幸せになりました。ダメだと、このままいけば日本全体が沈没するのではという、言葉にならない不安感、閉塞感を感じていた私は、ひょっとしてこれはデンマークの日本版ではないかと一気に思いが飛びました。

 

 困難、不安に本気で立ち向かえばある程度のことはできる、可能だ、如何に本気になるか、その見本を見せてもらったような視察でした。

 

 粕屋町は2つの事例から見ると無限の可能性を秘めています。ただそれを使いきれないだけ、気づかないだけ。差し迫った不安が感じられないのでしょう。

 

 人口の伸びしかり、税収の豊かさしかり、交通の利便性など。ただ私たちはそれを十分に活かしきっていない。15年間に町長が5人も変わり、議会がそれに対応できていない。

 

 粕屋町の弱点、強みの分析が徹底して足りない。多分分析などしなくても日常的にはこなせるからでしょう。ただそれでは町民の幸福度は上がらない、幸せ感は味わえない。

 

 「ないものはない」。それがなんだという気概を持って、あるものを徹底的に活かすまちづくりをしたい。今ならそれができる、本気でそう思えた視察でした。企画してくれた中野建設常任委員会委員長、ありがとう。