健康を手に入れる

 私は70年という生涯の中で今が最も健康です。年を重ねることは私にとっては不安材料にはなりません。自分の足で自転車をこぎ、一日中精一杯働き、疲れを翌日に残さない。いつもではありませんが大体そのような日常を送ることができるようになりました。

 

 思い切る、自分の力量を知る、他人の領域を荒らさない、年齢を重ねることはそういうことを学ぶことでした。欲張らない、ということでしょうか。

 

 早寝早起き、朝のテレビ体操。3食当たり前に食べる。心が動かないことはほどほどに。苦手な人との付き合いもほどほどに。自分の思いを大切に、悔いを翌日まで残さない。

 

 幼いころから虚弱体質で悩んでいたことが嘘のようですが、健康って本当にいいものです。朝礼で倒れる。貧血で青白い顔。姿勢が悪い、肩こり・腰痛に悩まされる・・・・・

 

 幼いころからのまわりの人の私の印象、それが当の私に跳ね返って、私もそう思い込んでいました。だから健康に対する憧れは人一倍強く、長男に「健」という名を付けたほどでした。

 

 幼い頃の私はいつも母に叱られてばかり。野良仕事を、単身赴任で父の不在の中ひたすら頑張っていた母の手助けをしたかった私ですが、期待に応えられず、母も歯がゆかったのでしょう。

 

 今思えば母も私に怒りをぶつける以外に自分の感情の処理ができなかったのかもしれない。人生への怒りも私にぶつけていたかもしれません。いつも委縮していた自分がいました。

 

 人はどうにもならないものを抱え込むときは、しかもそれが荷が重すぎる時は周りの人にぶつけるのでしょうね。私も子どもたち、夫にぶつけました。

 

 今はぶつける必要はありません。抱え込まないから。自分の力量が自覚できるから。大いなるものを信じ、神様は決して見放さない、いつも見守ってくれている、その信頼のもとに必要以上にあくせくしないで暮らせるようになりました。

 

 逆に、今私にできることは何、私の目の前の人は何を私に求めているのでしょう、そのことにどう応えられる?

 

 自分に応えられる範囲でいいから応えないさい、そんな風に思って暮らせるようになりました。その大元は自分の、自分の健康への信頼だと思っています。

 

 感謝以外の何物でもありません。多くの人に健康であってほしい、心からそう思います。

  

 ~みどりの日によせて~

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    健康寿命をのばす (日曜日, 05 5月 2019 15:18)

    2018年3月9日、厚労省の研究班は3年に1度実施している「国民生活基礎調査」を使って、2016年の日本人男女の平均寿命と健康寿命の推計を発表しました。
    それによると日本人の健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳で、平均寿命と健康寿命の差は男性8.84年、女性12.35年でした。
    尚、「健康寿命」とは介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間のことで、「健康寿命と平均寿命との差」とは介護などが必要となる期間で、この差を縮めることが社会保障費の抑制につながるという。(日経新聞2018年3月9日報道)

    平均寿命も健康寿命も長いのは喜ばしいことですが、この差が広がることは介護を受けたり寝たきりになる時間が長くなることを示しています。高齢者の街頭インタビューで、大抵の人が「ピンピンコロリと逝きたい」と言っているのを聞くと、健康寿命を過ぎた時間の過ごし方が大事だといえると思います。
    粕屋町に生活する私たちは、この現実をどう考えればいいのでしょうか。

    粕屋町は、就学前の子供が増加しておりそれに伴う懸案事項も抱えておりますが、それはそうした子供を持つ世代の町の職員であれば対応が可能です。しかし、高齢化に伴う医療費や介護費の増加、高齢者を受け入れる施設の確保等の問題を、わが身のこととして真摯に考えて欲しいと60歳で定年退職する町役場の職員に期待しても無理です。
    高齢者を引きこもらせず、歩いて買い物や散歩が安全にでき、粕屋町に住んで良かったと思える町つくり。先送りせずに、みんなで考えていかなければならない問題です。

    本田さんは、健康だから自分に何ができるかを考えどうしたら応えられるか自問自答しておられるといわれますが、逆に、そう考えて目標をもって行動できておられるから健康なのかもしれません。
    ちなみに私も子供を授かってから健康のありがたみが分かり、健やかに育って欲しいとの願いから子供の名前に「健」の字をつけました。