安倍首相は昨日、憲法改正推進派の民間団体が開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。その内容を今朝の新聞で見たのだが、ひとりの議会人として私は大いに違和感を覚えた。
読んでみると、内容は平易な言葉で、自民党総裁として、私たち国会議員はと語りかける口調だった。でもそれを伝えた新聞の一面の見出しでは『首相「改正憲法20年施行」9条に自衛隊明記」となっている。
首相が、私たち国会議員、あるいは自民党総裁として語っても、そのメッセージは首相の公的発言になるのだ。自分に近い立場の集会で質問を受けずに伝え、それがニュースとして5月3日の憲法記念日に流れるというやり方は一国の首相のやり方として公平ではない。
国の在り方を変えるという重要な問題を国会で示さずに、一方的に伝えるという手法は小手先の、自分の立場を利用したせこいやり方に写る。その真意をただすことも、議論もできず伝えられ、一つのファクターとして既成の事実として独り歩きする。もちろんそれを狙ったうえで? それが怖いのだ。
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