PFI方式で建設する場合は従来の価格とPFIで出した価格の比較をし、その削減率が高ければ導入するという流れになります。したがって、今回の落札額の削減率がどうなっているのか判断しなければなりませんが、議案提出の説明は%を示すだけの簡単なもので明確ではありませんでした。
結局、数字の提出も、説明も議会中にはありませんでしたので、12月議会ではこの議案だけ継続になりました。こんなことはこの10年間で初めてでした。
その後12月16日の総務常任委員会で出された数字がまた疑問だらけで、総務常任委員会では委員長採決で可決になりましたが、12月24日の臨時議会本会議では否決となりました。議会のチェック機能が働いたことになります。
削減率を問題にするときに、どの数字と比較するかが大きな問題になります。今回の一連の流れは、そのへんを熟知した何者かが数字の操作をある段階からしたような印象をぬぐいきれません。
昨年3月の予算案審議の時に、予算案に含まれた債務負担行為の68億3,400万円の数字の根拠が明確でないので債務負担行為の金額を予算案から外す修正案を出しましたが、4対9、一人退場で否決になり、数字の明確化はなりませんでした。
26年の予算案の15年間の債務負担行為の数字は長大というアドバイザリーの業者が出した事業案の数字と同じだったので、それが予定価格だと議会ではみんな思っていますが、実はそのあとにもう一案出ていることが、今回やっと出された資料をにらめっこしていたら出てきました。私以外に気がついている議員がいるといいのですが。
それで、二つのアドバイザリーの業者が出した従来方式とPFI方式の4例、それに突然出てきたPFI予定価格の初期整備費の予定額と、今回の落札額を比較してみました。
●PFI導入可能性調査(コンサルタント業者は日建設計) 平成25年3月15日
従来価格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19億7,904万円
PFI方式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16億8,218万円
●アドバイザリー(コンサルタント業者は長大) 平成26年3月17日
従来価格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21億 25万円
PFI方式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18億3、685万円
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PFI予定価格(今回議案に出た予定価格)・・・・20億6,185万円
●仮契約で契約し、12月議会で上程された資料より 平成26年11月25日
落札価格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22億 535万円
※ 債務負担行為の68億3,400万円という金額は、初期整備額、給食運営費、PFI方式では法人を設立する必要があり、その設立費、維持費などが含まれます。上の表はその中の初期整備費だけを特化しています。
ここで皆さんに注目していただきたいのは、過去のどんな数字より今回の初期整備費の落札額が「高額」なのです。こんな入札ってあるでしょうか?
二つの業者が出した従来方式というのは、単体で建設した場合の経費で、はこれその業者の内部資料の平均なのです。したがって全国の高い見積額を平均した可能性があります。
私は最初から業者に頼るのではなく、粕屋町の職員が、今までの経験と調査から予定価格を出し、その結果、PFI方式の方が削減率が高いのなら賛成だということを言い続け、粕屋町による独自の試算案を出す等に求めましたが、受け入れられず現在まで来ています。
全体を見て、他のところでは数字を抑えていますが、初期整備費にはびっくりするような金額があげられているのです。私の推測だけ終わればいいのですが。
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